棚ぼた 俺と藤の生活が始まって一週間が経った。気づいたことが一つ、藤はわりとハイスペックだった。棚からぼた餅とはこのことだ。 俺の苦手とする家事、炊事をやらしてみると、器用にこなすその姿。拾った犬は存外有能なペットだったのだ。 この器用さなら…
遭逢 六月、降り止まない雨に終始うんざりしていたように思う。 梅雨入り間近、俺を拾ってくれた上司はいざこざに巻き込まれて亡くなり、唯一の部下である俺が引き継いで一人でこの「掃除屋」を営むことになってしまったのだ。感傷に浸るのもそこそこに、当…
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