雑多

色々書く

愛というものはそもそも、誰にでもあるものだろうか。ふと考えたその疑問はこの暇な講義を退屈させない為に考えついたどうでもいい自分への提議だった。そんな漠然として薄っぺらい内容しか思いつかないのは致し方ないとして、私はシャープペンをくるくると…

救いの花

棚ぼた 俺と藤の生活が始まって一週間が経った。気づいたことが一つ、藤はわりとハイスペックだった。棚からぼた餅とはこのことだ。 俺の苦手とする家事、炊事をやらしてみると、器用にこなすその姿。拾った犬は存外有能なペットだったのだ。 この器用さなら…

救いの花

遭逢 六月、降り止まない雨に終始うんざりしていたように思う。 梅雨入り間近、俺を拾ってくれた上司はいざこざに巻き込まれて亡くなり、唯一の部下である俺が引き継いで一人でこの「掃除屋」を営むことになってしまったのだ。感傷に浸るのもそこそこに、当…

万年青と藤くん

便利屋、掃除屋業の男2人の話 万年青 おもと 便利屋、掃除屋を仕切っている 25歳。7月生まれ。178センチ。B型 チャラい。ヤリチン。女好き。タラシ よく女に殴られてるけど平気そう 色々だらしない。身なりは整えてる 読書好き。ジャンル問わず何でも読む。…

秋と冬

付き合っていないがヤってることはやっている男2人の話 矢島冬吾 やじまとうご 大学2-3年生。経済学部 180センチくらい。O型。一人暮らし。冬生まれ 高校の時にバンドを組んでた。ドラム ボーカルの女の子に告白されて辞めた 元陸上部。長距離 頭は良くも悪…

死ぬにはまだ早い

寿命を売った。その時間が誰のものになるのかなんて全く興味がなかった。生きていたくはなかったが死ぬ勇気もなく、老衰で死ぬまで待つほどの余裕も持ち合わせてはいなかった俺が出来ることは、残りの寿命をお金に変えることだけだった。 世の中は上手くでき…

本庄と芳村

典型的なネグレクトだと思う。俺はまともに親というものに育てられてこなかったし愛情というものを知らなかった。とりあえずこの家は早くでないと行けないとすぐに悟った俺は、中学生の頃からすでにお金をどう稼ぐかということはわかっていたし、多分あの頃…